2005年のとある夏の日。
住岡中学校で不良一と呼ばれている男がいた。
3年5組、出席番号15番。
名を、西岡大輔。
相変わらず、人を殴っていた。
顔も知らない。名前も知らない。
ただただムカついたから殴るだけ。
やがてその拳を振り終えた時には、
もうその人は死にかけていた。
その時、思った。
――ああ、今自分はとんでもないことをしたのではないか、と。
刑務所に行くなら、行く。
死刑になるなら、なる。
どうにでもなれ。
どの道、普通の未来を約束されない。
少年は覚悟していたのだったけれども。
……しかし、少年を待ち受けていたのは刑務所でも死でもない。
深くて狭い闇の世界が、少年を受け入れたのだ。
「ようこそ、殺し屋へ! あんたは立派な悪人だ!」
薄暗い街の小さな建物。
握り締めた拳を除けば、ただの普通の少年。
何も知らない少年を歓迎したのは、悪に手を染めている人達。
そこには、少年もよく知っている顔があった。
「……鈴木?」
「ああ、そいつ、ここではそんな名前じゃない」
同じクラスメイト。3年5組、男子10番。
鈴木涼磨。本職殺し屋、副業学生。
コードネーム、アルエス。
少年は、何も知らない。
彼は、静かに待っている。
やがて、訪れるサバイバルゲームという名の惨劇を。
やがて、嫌でも嘆くだろう血も涙もない悲劇を。
20つ以上もある殺し屋。
この中で有名になれるのは1つだけ。
そのためには、残りの殺し屋を全滅させなければならない。
「ねえ、アンタ今幸せ?」
最後に、少年達は何を知るか。
【そらやみ】連載開始。